2015/03/02 (Mon) 23:47
ここは東京のとある街角。今日も肩で風を切って歩くチンピラヤクザさんたちが悪さをしておりました。
(今はどっちかというと悪さをするのはオコチャマのほうが多いんですけどね。精神年齢が若い人たちですね。)
そこへ登場する5人の人影・・・
「悪さをするのもそこまでだ!」
叫んだのは黄色いジャージの人物。歌舞伎の見栄のポーズで構えています。
「いつもお勤めご苦労様です!ジョ○カーの皆さん!」
赤いジャージの背の高い男が続けて叫びます。
「っひいーーーーー、っひいーーーーー・・・って俺たちはジ○ッカーじゃない!」
「ついでに言えばここにフ○ンフ○ン大佐もいねえ!」
誰もそこまで言ってません。ノリがいいチンピラさんたちです。
「お前たちはいつも俺たちの邪魔をする謎の高校生戦隊だな?!」
気を取り直したチンピラの一人が言います。
すると、赤いジャージの男が腕組みをして胸をふんぞり返らせました。
「ちゃんと僕たちには名前があるんです。」
「そうよ!ちゃんと名前がついたんだから!」
可愛らしいピンクのジャージの女性があとを引き取りました。
「行きますよ。」と清四郎@レッド。(赤ジャージに黒いマフラー着用。)
「僕たちは」と美童@ブラック。(黒ジャージに赤いマフラー着用。)
「強きを助け弱きをくじく」と可憐@ピンク。(ピンクジャージに赤いマフラー着用。)
「ひまじーんせんたい!」と悠理@イエロー。(黄色ジャージにやっぱり赤いマフラー着用。)
「ゆうかーん・・・」と魅録@ブルー。(相変わらず頭はピンクで青ジャージに赤いマフラー着用。)
「「「「「シックス!」」」」」
びしっとトーテムポールのポーズ(顔を縦に並べる)が決まりました。
チンピラさんたちは呆気に取られています。
「シックス・・・のくせに5人じゃないか!お前ら!」
そこへ軽やかな足音が響いてきました。
「ちゃ、ちゃんと、6人、ですわ。」
息を切らしながらかけてきたのは、紫のジャージに赤いマフラーを着用した黒髪の小柄な野梨子@紫でした。
「み、みんなひどいですわ。私の、足が遅いの、知ってて、先に行くんです、もの。」
ぜーぜーと涙を浮かべながら文句を言う彼女の姿はやや悲壮なものです。
「なるほど、6人というのはわかった。」
チンピラのリーダー格の男が腕組みをしながら言います。
「だがな・・・一つだけどうも納得行かないんだ。」
人差し指を立ててみせる彼の仕草はさながらシ○ーロック・ホームズ。
「『強きを助け弱きをくじく』ってのはなんだ!」
びしっと彼はそのまま人差し指で、可憐@ピンクを指差しました。
「あらあ?あたしそんなこと言った?」
可憐@ピンクは平然と言います。
「あなたたち、知らないんですか?」
清四郎@レッドが言うので、一同は彼に注目しました。
「タ○チャン○ンのテーマではそのように歌っていたんですよ。」
ふんふん、と鼻高々といった面持ちの清四郎@レッドに有閑シックスの面々は「なるほど~」と頷きます。
「じゃあ俺たちはブ○ックデビルか!?○ミダ婆か?!」
チンピラさんたちは返します。
そのうちの一人が後ろで「あっ○だっくじ~、あっみ○っくじ~、○いってたっ○し~あっみだっ○じ~♪」と作詞作曲・桑田圭○のかの名曲を歌っております。
「俺たちはでっ歯じゃな~い!」(○ケチャンマンの敵役といえば明石○○んま氏ですね。)
と一人が叫びました。
すると、美童@ブラックと可憐@ピンクが、
「っしぇーーーーー!」
とポーズを作りました。
「今はそんなことはどうでもいいんだ。」
魅録@ブルーがじろり、とチンピラの一団を睨みつけます。
その眼光の鋭さはさすがです。ですが・・・
「お前にも聞きたいことがあったんだ。」
チンピラのリーダーは魅録@ブルーの胸元を指差しました。
「その『4416』ってプレートはなんなんだ!?」
そう。魅録@ブルーの青ジャージの胸元には、『4416』という数字の刻まれたプレートが縫い付けてあったのです。
「なんだ?これも知らないのか?」
にやり、と魅録@ブルーが笑みます。ここに見ず知らずの若い女性がいたら黄色い歓声を挙げそうなほどにニヒルな笑みです。
魅録@ブルーは体の横で肘を直角に曲げて構えました。
そして前後に腕の円運動を始めたのです。初めはゆっくり、そして段々と加速をつけて・・・
「む~ね~○~、○けてる~、ぷ○ーとは~、しし~○じゅう~ろく~♪」
戦隊の他の5人が声を合わせて歌います。(著作権保護目的でかなり伏字を入れてお送りしています。)
「ゼ○ダラ○オンかよ!」
SLファンの胸を熱くさせた名作アニメのキャラですね。
「よし、お前らのコンセプトはわかった。じゃあその赤いマフラーは・・・」
「ほほう?わかりますか?でも一つ訂正しますよ。」
一人だけ黒いマフラーを着用した清四郎@レッドが言いました。
「みんなのこれは『赤いまふりゃー』なんです!」
ぐっと拳を握り締める清四郎@レッドの独演会です。
「それなのに、僕だけが、僕だけが、衣装が赤だからって黒いまふりゃーを用意されてしまったんです!」
さめざめと地面に跪く彼の肩をとんとん、と叩くものがいます。
「泣くなよ、清四郎@レッド。あたいはお前には黒いまふりゃーのほうが似合うと思うぞ。」
優しく微笑んで覗き込む悠理@イエローに清四郎@レッドはほろり、とほだされました。
意外と賢い悠理@イエローは「だってお前のほうが美童@ブラックより腹黒だしさ。」という続く言葉を口にはしませんでした。
「それはともかく、有閑ジャー!」
「私たちは象○の炊飯器ではありませんわ!」
話しかけてきたチンピラに思わず野梨子@紫が舌戦で応戦しました。今まで黙っていたのは息が上がっていたからなのは言うまでもありません。
「じゃあ有閑シックス!お前らは何をしに出てきたんだ?集団ドツキ漫才か?」
「はっ、目的を忘れるところでした。そうです、あなたたちにお仕置きをしに出てきたんでした。」
清四郎@レッドが早くも立ち直って言います。
「そろそろ、だな。」
魅録@ブルーがぺろり、と舌なめずりしました。
「きっかけ頼むぞ!可憐@ピンク、美童@ブラック。」
悠理@イエローが後ろの派手な容姿の二人を振り返りました。
二人は頷くと懐から、可憐@ピンクが小さな鍵を、美童@ブラックが南京錠を取り出しました。
「おどろきもものきさんしょのき」
「ぶりきにたぬきにせんたっき」
「やってこいこ・・・」
ばしいっと野梨子@紫の袱紗ツッコミが二人の顔面に決まりました。
「どこから大巨○がやって来ますの!」
「やっとシリアスシーンが出てくるかと思ったらヤットデタ○ンかよ!」
と、魅録@ブルーも自分の胸元のプレートを無視してなじります。
「だっていっつもボールをパスしていくのに野梨子@紫のところでダメになるじゃないか。」
袱紗を喰らって鼻血を流しながら美童@ブラックが抗議します。
「ボールだと?もしやそれはパスされるたびに色が変わって最後のアカ○ンジャーがキックするとトゲが生えて爆弾になるアレか?」
チンピラのリーダーが解説してくれます。
「ええ、そうですよ(一回も成功したことないんですけど。)」
と清四郎@レッドが答えます。
「やっぱりお前ら有閑ジャーだろ!」
ぴっこーん、ぴっこーん
「むむ、何の音だ?」
チンピラさんの一人がその音を聞きとがめます。
「はっ、しまった!タイマーが!」
「ちっ。三分たっちまったか!」
清四郎@レッドと魅録@ブルーが真剣な顔を見合わせます。
あなたたちは太陽電池で動いているのですか?
「時間がないな、野梨子@紫は仮○の忍者・赤○でいくか。」
悠理@イエローにちろっと見られて野梨子@紫は震え上がりました。
「ま、まさか、青○バージョンですの?!」
「いや、今日は忍術で連れ去られる木○藤吉郎バージョンだ!」
無情な魅録@ブルーの声と共に、どこからともなくワイヤーがするするとおりてきます。
がしっと彼女を捕まえた美童@ブラックと可憐@ピンクの手でワイヤーが紫のジャージに装着されました。
「よしっ、では撤収です!○ョッカーの皆さん、またお会いしましょう!」
清四郎@レッドが叫ぶと共に、有閑シックスのメンツは全員駆け出しました。
ただ一人、野梨子@紫は「あーれー」と言いながらスー○ーマンのような姿勢でワイヤーに吊るされて飛んでいくのでした。
(青○ちゃんの大凧よりは安全でしょう。)
ノ○ダーと○影とウ○トラマンが混ざったエンディングに残されたチンピラさんたちは、しばし呆然。
「なあ?俺たち何の悪事を働いたんだ?」
「さあ?」
「あいつら結局なにがしたかったんだ?」
「「「さあ?」」」
彼らは気づいていません。いつの間にやら清四郎@レッドの手で薬が盛られていたことに。
その夜、彼らはことごとくトイレの住人となってしまったのでした。
そうして今日も東京の平和は守られている・・・たぶん。
(2004.1.25)(2005.4.29加筆修正)
(2005.4.30サイト公開)
(2005.4.30サイト公開)
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