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こめすた保管庫
二次創作サイト「こめすた?」の作品保管ブログです。 ジャンル「有閑倶楽部(清×悠)」「CITY HUNTER(撩×香)」など。
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2024/05/17 (Fri) 15:49
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2015/02/20 (Fri) 00:04
「絶頂パルス」後編。

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 そっと悠理の腕を解いて振り返る。彼女の片方の腕を掴んだまま、清四郎は彼女と向かい合った。
「それで?答えは出たんですか?」

 その気持ちは、恋なんですか?

 悠理の色素の薄い目はじっとたじろぐこともなく清四郎の黒い瞳を覗いている。
 清四郎は体が熱を帯びるのを感じた。
 そして、彼女の唇が動き始める。
「で?レンアイって理屈でするもんなのか?」

 清四郎は目を見開いた。

 やられた、と思った。
 もう彼には抗う理由はない。
 彼女に溺れる自分を守るための、逃げの口実はない。

 悠理の手がそっと清四郎の胸元を這う。清四郎にはそれを止める手立てはなかった。
 細い指が彼のシャツのボタンを一つ一つはずしていく。
 肌蹴た胸元に唇を這わせ、そして顔を上げた。
「あたいを抱けよ、清四郎。」

 清四郎の震える手が嫣然と微笑む悠理の頬に当てられる。
 もう熱に抗えない。抗う気など、ない。
「降参、です。」
と言うなり、悠理の唇を塞いだ。



 女の着ているパジャマにもなるトレーナーの上下の間から手をそっと差し入れる。
 彼の手よりも尚熱い、彼女の肌がそれを迎える。
 唇で情熱を通い合わせながら、指先は彼女の胸元の敏感な部分を這う。彼女の指も彼のシャツのボタンをなおもはずし続ける。
「ん・・・」
と、彼女の口から愉悦の声が漏れるものだから、清四郎はそのまま彼女をベッドの上へと横たえる。
 そしてトレーナーの裾を胸元までたくしあげると、何度も味わいつくした双丘に唇を寄せる。すると身を捩る悠理の指先が、清四郎の項をすうっと撫で上げた。どくり、とまた体温が上がり、彼女の胸の果実をかり、と甘噛みする。

 互いに知りすぎるほど知っている。
 どこを煽れば相手の体温を上げることができるか?
 どのように煽れば相手をとろけさせることができるか?

 それは決闘に似ている。

 溺れゆく。とろけゆく。どこまでも、燃え上がる。

 互いが身に纏うものを脱がせて行く。慣れたものだ。
 間に何も挟まずに、素肌同士の胸が触れ合わされる。
「あ、やっぱりこれって気持ちいい・・・」
とぽつり、と彼女が呟くから、清四郎はますますぎゅっと彼女を強く抱きしめた。
 互いの素肌に唇や手を這わせることはあったが、素肌同士をこんなふうに触れ合わせるのは初めてだ。
 その恍惚とするほどの安心感に、悠理はとろりとなる。
「悠理の肌も、すごく気持ちいいですよ。」
 頬を彼女の頬に寄せて清四郎も呟く。その声が熱を以って掠れているものだから、悠理の背に、その感触が走り抜ける。声がそのまま信号となって彼女の体の隅々まで伝わっていくようだった。
「せいしろ・・・」
と応える声が、思わず潤む。
「まだ、全然入り口ですよ。」
「うん・・・うん・・・」
 清四郎がほんの少しだけ身を離して悠理を見下ろすと、赤らんだ彼女の顔は今まで見たこともないような優しい表情を浮かべていた。
 愉悦に顔をゆがめる彼女は何度も見た。だけれど、こんな彼女は知らない。
 思わずその吐息を奪うと、手をパジャマのズボンの中へと這わせる。彼女も器用に脚を動かしてそれを脱がそうとするのを手伝う。
 下着の上から茂みを探る。彼女の吐息を奪っていた唇をずらして耳朶を唇で食むと、指先で触れる布地がはっきりと潤いを増した。
「耳朶が、弱かったんでしたっけねえ?悠理。」
 ついでに言えばここで囁くのも、ですよね。と清四郎はくすり、と笑う。
 そしたら、悠理が少し顔を回した。
「お前も、耳朶弱いくせに。」
と、舌を伸ばしてちろり、と舐めた。
「あんまり煽るな・・・」
と清四郎は苦しげに呻くと、下着の脇からぐいっと指を差し入れ、茂みの中の欲望の芽をきゅっとつまんだ。

 ぴちゃり、と水音が響く。
「い・・・」
 男の指を飲み込みながら、その違和感に痛みに似た感覚を覚える。
 すでに互いに生まれたままの姿になっていた。
「すごく狭いですよ。もう少しほぐさないと。」
と言われて、彼女の胎内はますます熱を帯びる。ああ、そうだ。今は準備中なのだ。
 指すら受け入れるのは初めてだった。高みに上り詰めたことはないわけではないのに、なおもこんな感覚を知らなかったのだ。
 ダイレクトに胎内に感じる蠢きに、ほとんど我を忘れたような状態になる。
「せいしろ・・・」
と呼んで彷徨う手が、彼の裸の肩をしっかりと掴む。
 彼は空いているほうの腕でしっかりと彼女の肩を抱いてくれている。彼の脚は、彼女の脚が閉じないようにしっかりと押さえつけている。
 あられもない姿で、彼女の腰は男が刻むリズムに合わせて揺れ動いた。
 ふと、急に清四郎が身を離すものだから、悠理はどっと不安に駆られる。
「や、離れるな!」
と腕を伸ばしたら、大腿に温かいものが触れた。彼の唇だった。
「大丈夫。ここにいるから。」
と、彼女の胎内に差し入れた指はそのままに、彼女の腹に再度唇をつけた。
 彷徨っていた彼女の腕はぱたり、とシーツの上に投げ出された。
「あ、あ、や、あ・・・」
 いつの間にやら指が増やされている。親指は芽をぎゅっと刺激している。
 逆の手は臍をくすぐる。

 そして、欲望の巣は彼の視線にさらされていた。

「や、みる・・・な・・・」
 両手で自身の目を覆う彼女に、男の不思議そうな声が聞こえる。
「なぜ?初めて見られてるわけでもないでしょうに。」
 その言葉に、彼女の体を羞恥が走り抜ける。
「やあ!」
 一際大きな声で啼くと、彼女の体は一瞬びくり、と震え、そして弛緩した。

 清四郎が指を引き抜くと熱い液体がそのあとから溢れてきて、きらりと光りながら、垂れた。
 シーツに何滴か沁み込むのがもったいなくて、清四郎はそっとそれを舐め取る。
 彼女の体が、また揺れた。



 ぴっという音がして、悠理の意識はうっすらと覚醒した。
 少し肌寒い。体のどこにも清四郎が触れていないのだ。
「せいしろう?どこ?」
と言ったら、彼の熱い手が彼女の膝に触れた。
「ここですよ。」
「なにしてんの?」
「・・・口に出して言わせる気ですか?」
と、響いていたかさかさという音が消えた。
「ゴムつけてんの?」
 あっけらかんと言う彼女に、清四郎は苦笑する。
「悠理のコトが大事だから、な。」
 そう言って覆いかぶさってくる清四郎を、悠理は両腕で抱きとめる。
 微笑みあい、口付けを交わした。
「悠理、悠理。」
と彼女の名を呼びながら、彼は彼女の中へと潜りはじめる。
 彼女も、
「せいしろ・・・」
と囁きながら、その痛みを受け入れた。
 最奥まで到達する。そこで一旦、清四郎は息をついた。
 あまりに甘くきつい締め付けに、あっという間に気を飛ばしてしまいそうになるのを必死で耐える。
「悠理、痛みはどうだ?」
「・・・いてえよ・・・あたりまえだろ!」
 彼女が声を荒げた拍子に腹に力が入り、ますます彼を締め付ける。
「あ、だめだ、力を入れるな、悠理・・・」
 苦しげに息をつぐ清四郎に、彼女はそっと閉じていた目を開ける。
 彼女が口で彼を愉悦に陥れていたときと似ている、だが比べ物にならぬくらい熱く狂おしい瞳が、そこにはあった。
 悠理はぐらり、と眩暈を感じた。
「いーよ・・・動いて・・・せいしろ・・・」
 呟いてからまた、瞳を閉じて彼の背を抱きしめた。

 清四郎が動く。引き裂かれるような感覚が悠理を襲う。
 だが、そんなことどうでもいい。
 ただ熱かった。
 ただ、熱かった。
 繋がった部分から伝わる鼓動が。
 清四郎の肌が。
 吐息が。

 熱くて熱くて、発火するのではないかと思うくらい、熱くて・・・甘かった。

 こんなに幸福な熱を、二人は初めて知った。

 無限に続くような時。
 でも一瞬にも感じた時間。

 どれほどの時間かなど、わからない。

 二人は、圧倒的な波動に、すべてを預けた。



 清四郎がまだ力の入らぬ様子の悠理を抱き寄せると、彼女の瞼がうっすらと持ち上がった。
「きつくありませんでしたか?」
「んーん、平気。」
 悠理は腕枕をされて、清四郎の胸に額を摺り寄せる。
「こら、早く寝ないと。勉強しなくちゃいけないでしょ?」
 またも熱を煽られかけて、清四郎は優しくなだめる。
「んー。」
と言って、悠理は清四郎の背中に腕を回した。
「一緒に卒業しよう。そしてずっと傍にいさせてくれ。」
 彼の囁く声が悠理にはとても心地よい。
「ん。清四郎の隣はあたいの居場所な?」
 にっこり笑んで清四郎の顔を見上げたら、清四郎はかっと赤面した。
 悠理はそれを見て、にこにこが止まらない。
 一見無邪気なようなその小悪魔の笑みに、清四郎はくらくらした。
「悠理、いい加減に観念したらどうだ?」
 目を細めて言う彼に、彼女は笑んだまま首をかしげる。
「観念って?」
「そこまで言いながら、恋じゃないとは言わせませんよ?」
 腕枕をしているのとは逆の手で彼女の顎を掴んでじっと瞳を覗きこむ。
 ようやく悠理は笑みが引っ込んで目を見開いた。
 今度は彼女のほうが顔が熱くなる。
「い、言わなくたってわかるだろ!」

 恋してるわけでもない相手にここまで迫り倒すようなあたいじゃないやい!

 頬を膨らませて彼の胸に顔を埋めてしまおうとする意地っ張りな彼女を、清四郎はぎゅっと抱きしめる。
「やっぱり今夜は眠れそうもありませんね。」
などと彼が言うものだから、悠理はがりっと彼の胸に爪を立てて抗議する。
「すけべ。」
「誘ったのは悠理ですよ。」
「こっちが押し倒す前にそっちが押し倒したじゃねえか。」
「・・・押し倒す気だったんですか?」
 唖然としかける彼に彼女は一瞬ためらってから、さきほど引っ掻いてうっすら赤くなっているあたりに唇をつけた。
「だってお前はあたいのもんだからさ。」
 誰にも渡さない。
「ええ。僕はお前のものですよ。そして悠理。お前も、僕のものです。」

 二人は顔を見合わせると、今夜二度目の絶頂へ駆け上るべく、螺旋のうねりに身を任せた。



 週明けの聖プレジデント学園は、必要以上に互いに触れ合う清四郎と悠理の姿と、学年末テストで空前の好成績をおさめた悠理の点数とで、話題をかっさらわれた。
 有閑倶楽部の仲間たちは、どうやらうまくいったらしい二人の様子に、苦笑交じりの祝福の笑みを交し合ったのだった。
(2004.12.11)
(2004.12.13公開)
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